岩手県花巻市に
林風舎さんはあります。
宮沢賢治の実弟・宮沢清六さんの孫・宮沢和樹さんが店主の店です。
このたび、ご縁をいただき、
『竜のはなし』を林風舎さんに置いていただける事になりました。
あれは今から30年も前のことです……。
当時、大学生だった私は
戸田幸四郎の運転手として
東北まで車を飛ばし
宮沢清六さんのご自宅に伺いました。
そこで戸田幸四郎が、
宮沢賢治全集に入っていた『手紙1』という題名の短い話しを
『竜のはなし』と言う題名に変えて出版したいこと、
あとがきは花岡大学さんに書いてもらうこと、
そして、原画数点をお持ちいたしました。
宮沢清六さんはとても優しい方で、運転手の若造の私まで
ご自宅に招き入れ、よくこの話しを選んでくれた、と喜んで、
その場で承諾してくださいました。
30年も経って、また、『竜のはなし』がご縁で
宮沢和樹さんの林風舎さんとつながることができ……。
今年が辰年であったり、
昨年の大震災以降とくに『竜のはなし』のような
“自己犠牲”を正面から描いた本が注目されたり、
状況は色々変わりますが、
この作品の、“年月が経っても変わらぬ力”を強く感じています。